コンタクトレンズは、眼鏡と比べると、くもらない、視野が広い、視界周辺のゆがみが少ない、左右の近視度数が大きく違っていても処方可能など、眼鏡より有利な面も多く持っていますが、完全な上位互換ではありません。不具合が起きたときの人体に対するリスクが眼鏡より大きく、薬事法で高度管理医療機器(人体に重大な影響を与える恐れがあるもの)に分類されています。※眼鏡は一般医療機器(人体に影響を与える恐れがほとんどないもの)です。
眼鏡とちがって、装用や保管のしかたによっては細菌やアメーバなどの微生物に汚染され、そこから感染性角膜炎・結膜炎などを起こします。装用中は酸素が眼内に通りにくくなるため、装用時間が長くなると充血が取れなくなったり、黒目の周囲が濁ってくることもあります。
感染性結膜炎・角膜炎、アレルギー性結膜炎など、眼鏡を使うことは問題なくても、コンタクトレンズ装用だと重症化する眼の病気があるため、眼鏡と違ってコンタクトレンズには使ってはいけない時があり、多くの場合それは突然起こります。装用や保管を清潔にできるための知識とスキルを持つことが重要ですが、そのうえでコンタクトレンズに頼らなくて済むように、眼鏡をいつでも使える状態にしておく必要があります。
眼科での定期検診はレンズが目にあった状態を維持しているかを確認するほか、上のような病気が重症化するのを避ける目的も持っていますが、ネット通販を利用されるケースなどでは定期検診から遠ざかっている方も多いと思われ、トラブルも散見します。このため、当院では適正なレンズの取り扱いができ、定期的に眼科の通院検診ができる方にコンタクトレンズ処方をします。
(関連情報)
当院で初めて処方を受ける方は、以下ご注意ください。
①ネット通販などでの購入を前提としたコンタクトレンズ検査は受付しません
レンズの種類・度数だけ知りたい、などはお断りしています。コンタクトレンズ処方箋も発行していません。
②小学生以下への処方はしません
一般的なコンタクトレンズは着脱を含めて自分で管理する必要があることから、小学生への処方は当院では原則しません(他院で処方されていて継続の場合も、当院では継続処方しません)。中学生への処方も慎重に考えています。
③眼鏡を持参してください
上のようにコンタクトレンズが使えない時に眼鏡が代わりに使える状態にあることが、コンタクトレンズを安全に使用する上での前提条件になりますので、現在お使いの眼鏡を確認してからコンタクトレンズ処方をします。眼鏡が合わなくなった、壊れた、などの場合は眼鏡も同時に処方します。
ただし、眼鏡の経験がない方(今までは視力がよかった、眼鏡は持っているがかける必要を感じなかったなどで、長らく裸眼ですごしていた、など)の場合は、先に眼鏡処方をして、一定期間眼鏡に慣らしてから後日にコンタクトレンズ処方に入る場合もあります。
④購入毎に眼科で検診を受けてください
当院での受診継続を強制するものではなく他院でもよいですが、コンタクトレンズの安全な装用を続けるにあたっては、冒頭にあるように定期的に目の状態をチェックすることが重要です。
⑤全く経験がなく、初めての装用になる場合は装用練習をします(午前は10時30分まで、午後は16時までに来院してください)
まず目の状態が健康で装用に耐えるかを医師が判断し、装用可能と判断されたらつけ外しの装用練習をします。健康な眼の状態と、つけ外しの技能がそろって初めて処方可能になります。実際に装用をやってみると、うまくいかない方は一定数おられます。30分程度頑張ってみても難しい場合には、処方中止になることもあります。その場合は後日何度か練習に来ていただき、着脱可能を確認できれば処方可能としています。家での練習はできません。(このように装用練習に時間がかかることがあるため、上記より遅い時間に来院された場合は診療時間中でも処方をお断りする場合があります。)